出典:ジェネリック医薬品の沢井製薬|なによりも患者さんのために
新薬と同じ有効成分が配合され、優れた効き目と安全性がありながらも新薬より安く購入することができるといわれているジェネリック医薬品。
そんなジェネリック医薬品メーカー最大手である沢井製薬が昨今“やばい”と言われているようです。
高橋英樹さんのコマーシャルで誰もが知っているであろう沢井製薬がなぜ“やばい”と言われているのか、これから沢井製薬に就職したいと考えていた方、今までジェネリック医薬品を服用していた方は不安になるし気になりますよね。
筆者自身も同じ効果で安く購入することができるなら、とジェネリック医薬品を利用することが多いので“やばい”といわれているのであれば理由を知りたいと強く感じました。
そこで、この記事では様々な観点からなぜ“やばい”と言われているのかまとめてみました。
沢井製薬がやばいと言われる理由
① 小林化工の買収
2021年に沢井製薬は会社を合併・買収するのではないが、工場の設備と従業員の大半を引き継ぎ生産機能のみを取得するというイレギュラーな買収をしています。
ちなみにその買収の対象である小林化工は2020年に製造不正が発覚しているのです。そんな先行きの怪しい小林化工を買収するのはたしかに“やばい”と言えるでしょう。
では、なぜ沢井製薬がそのような変則的な買収を決めたのか。
実はこの頃ジェネリック医薬品業界ではメーカーの不祥事が相次ぎ、業務停止命令を受けた影響で業界では一気に薬不足に陥っていました。そしてシワ寄せは業界トップの沢井製薬に及びました。
しかし、年単位で生産計画を決めている医薬品に関してはすぐに増産というわけにはいきません。そこで目を付けたのが小林化工の生産機能だったのです。
会見で澤井会長は「供給不足で、医療機関や患者から『薬が届かない』という声が毎日来ている。この状況をなんとか改善したい。」と発言しています。
企業理念である「なによりも患者さんのために」の実現のために“やばい”買収を行ったようですね。
② 品質試験の不正が発覚
ジェネリック医薬品業界での不祥事が相次ぎ、薬不足の状況を打破すべく小林化工の買収を行った沢井製薬でしたが、2023年に沢井製薬自身も品質試験における不正があったことが発覚してしまいます。
いまだに薬の供給不安が続く中で業界最大手の不正発覚。これはどう考えても“やばい”ですよね。
不正が行われたのはテプレノンカプセルの品質試験。2015年から継続的に不正が行われていました。
テプレノンは時間が経つと溶けにくくなる性質をもっていましたが、試験時に新しいカプセルに詰め替え、適合したものとして処理をしており、なかにはカプセル溶出率が0%となる個体もあったようです。
沢井製薬はこの不正がテプレノンの有効性や安全性に影響する可能性は低く、健康被害が発生する恐れも極めて低いと説明していますが、不正があった薬、それも溶けない薬と聞けば誰しも“やばい”と感じますよね。
③ 法律より上司の指示に従う風潮
テプレノンの不正は工場長の手書きの指示を現場が誤解して受け取ったことが原因のようですが、誤解して不正を行うというのは“やばい”ですよね。
工場長にとっては再検査の指示だったのに現場はそれを不正の指示と受け止めたわけです。
しかし、いくら上司の指示だからといっても手書きの伝言一文で不正を行うのは普通ではありません。
こういった誤解が生じてしまったのは普段から違反を隠すことが会社のやり方であると現場が認識していたことが原因ではないでしょうか。
今回不正があったのは九州工場ですから不正を認める雰囲気が会社全体のものなのか九州工場に限ったことなのかは分かりませんが、現場の人間が上の意思を勝手に忖度して不正を行う、そんな会社の風潮はかなり“やばい”です。
④ ジェネリック医薬品業界の度重なる不祥事による薬不足
先述した通り2020年以降、ジェネリック医薬品業界では品質不正が相次いでいました。業界大手の日医工や、中堅の小林化工が業務停止命令を受けた影響で薬の供給に不安が続いています。
そのようななか、2023年には沢井製薬の不正も発覚して大きな混乱を招きました。これは沢井製薬だけの問題ではありませんが、医薬品業界全体への不安感から沢井製薬も“やばい”につながったのではないでしょうか。
⑤ パワハラ
沢井製薬で働いていた人の声を聞くとやはりパワハラやセクハラが原因で辞めたというひとが多くいました。会社内で専用の相談窓口があるようですが結局何も改善してもらえず意味がないようです。
過去にはペースメーカーを使用している一級障がい者の職員が上司とトラブルを起こしたことをきっかけに4ヶ月半の間、一ヶ月に数日のみ、5分多くても1時間程度で済む仕事しか与えられないというパワハラを受け、うつ病になっています。
沢井製薬は医薬品メーカーですから職員も医療知識がある人が多いのは必然です。医療知識があれば長期に渡る精神的、身体的な苦痛がペースメーカーを使用している人にとってどれほど良くないかは容易にわかることです。
そして労働者が労働時間の間、仕事を与えられずに会社に拘束されることのつらさは誰でも想像できますよね。
業界最大手で多くの事業所を持つ沢井製薬。これだけ大きい会社であれば色々なひとがいますし、パワハラをするような嫌な上司もいるんだろうなとは思いますが、もちろん多様性や個性という言葉で片づけられることではありません。
パワハラやセクハラなどのハラスメントは沢井製薬に限らず、どんな企業でもなくしていきたいやばい問題です。
⑥ 国が推奨している
ジェネリック医薬品は患者負担の軽減や医療保険財政の改善のために国からも強く勧められています。
国から勧められているものと言えば新NISAが話題ですが、最近それに関して
という否定的な小倉優子さんのコメントが物議を醸していました。
新薬と同じ効果なのに安価で手に入るうまい話を国が勧めているときくと確かにやばい気もしてきますね。
ジェネリック医薬品が怪しいというわけではありませんが、メリットばかりを鵜吞みにせずにちゃんと疑うことで生まれた小さな疑念が怪しいジェネリック医薬品を扱う沢井製薬が“やばい”というイメージにつながったのかもしれません。
⑦ 将来性に不安がある
業界最大手の沢井製薬ですが、2022年3月の決算では283億の赤字になったと発表されています。業界最大手の企業がこれだけ大きな赤字を出しているのは“やばい”といわれて当然ですよね。
ただこれは2021年から始まった薬価の毎年改定が大きく影響していて、また急激な円安や原材料の高騰による調達コストの上昇が追い打ちをかけているようです。
沢井製薬個人としても海外事業で大失敗をしていますが、沢井製薬以外の大手ジェネリック医薬品会社でも多額の赤字を出しており、ジェネリック医薬品業界を取り巻く環境が悪くなっているのが原因だといえるでしょう。
⑧ そもそもジェネリック医薬品の効果に疑念がある
効能や効果・用法・用量は基本的に新薬と変わらず、新薬よりも飲みやすくなるように改善してあり、さらに新薬よりも安価で手に入るというメリットが多いジェネリック医薬品。
厚生労働省での厳しい審査に合格した医薬品だけが届けられるので安全性も心配がいらない国も認める医薬品なのですが、やはりメリットばかりというわけにはいかず一部の医師は「新薬よりも効果が薄い」と感じているようです。
新薬とジェネリック医薬品は主成分が同じなので基本的には同じ効果が期待されます。
しかし、完全に同じ薬というわけではなく、副成分は違ったりするのでそのわずかな違いによるものなのか、プラシーボ効果によるものなのかは分かっていませんが「効かない」という声もあるようです。
どんなことにもメリットがあればデメリットがあるのが当然ですから仕方のないことではあるでしょうが、国が推して、さらに薬局でも勧められるのに効きにくい場合があるとなると不安感や不信感が芽生えますし、そのような薬を作っている沢井製薬って“やばい”と言われる原因になっているのかもしれません。
沢井製薬はやばい?まとめ
以上が『沢井製薬がやばいといわれる理由』だと推測しました。
沢井製薬が取り扱っているジェネリック医薬品に対する消費者の疑問や不安感が、業界最大手の沢井製薬にも及んでしまっている部分も多くあるようです。
ただ、「沢井製薬」で検索したときにヒットする内容は不祥事に関することばかりで、やはり不正を起こしているという点が“やばい”と言われる一番大きな要因だと考えられますし、筆者としてもこれはやばいなと感じたのが正直な感想でした。
これだけ大きな企業となると様々な方面からよくないように思われたり、トラブルが起きたりするのはどの業界でも起こりうることです。
もちろん不正やパワハラは決して許されることではないですし、消費者を裏切るような行為に関しては猛省すべきです。
しかし、沢井製薬で働いているほとんどの人はそんなことには手を染めず、企業理念である「なによりも患者さんのために」という気持ちで誠心誠意、薬を作っていることに間違いありません。
“やばい”というのは良い意味でも悪い意味でも使われます。やばいと言われれば確かに不安に感じますが、医薬品は自身の健康に関することですから、メリット・デメリットをよく理解して、周りの意見に流されず自分に合う薬を服用することが大切ですね。
筆者はこれからも沢井製薬のジェネリック医薬品を積極的に利用し続けたいと思います。