ろうきんがやばいと言われる理由まとめ

ろうきん

出典:全国労働金庫協会(ろうきん協会)|お近くのろうきんをご紹介します

ろうきんは【全国労働金庫協会】の略称で、全国600店舗以上で展開される非営利の金融機関組織です。

あくまで「加盟者が助け合う」という理念のもと、労働者の経済的地位の向上を目的に営まれています。

そして、ろうきんでローンを組む際に審査が厳しいことから、お金を借りるとやばい?という噂が発生しているようなのです。

非営利なので消費者に優しいはずなのに、なぜなのでしょうか。

その仕組みやローン時の条件や注意したいことを中心に、ろうきんの潰れる可能性など、他の評判についても併せて調べてみました。

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ろうきんがやばいと言われる理由

ろうきんでお金を借りるのはやばい?

結論から言うと、ろうきんからお金を借りてもやばくはありません。むしろ低金利で借りられる場合もあるので、メリットも多いといえます。

ただし、ろうきんのローン審査はかなり厳しいようです。それが理由となって、悪い評判が広がったり良くないイメージが生じてしまっているのではないかと筆者は考えます。加えて、利用者以外にその仕組みがよく知られていないこともあるでしょう。

ろうきんのサービス内容は、預金や融資といった銀行とほぼ同じものを提供しているといっていいでしょう。

ですが、その目的が異なっています。銀行が株主の意見をもとに運営しその利益も株主に還元されるのに対して、ろうきんは利益をサービスとして利用者に還元しています。これは非営利の強みですね。

ろうきんのローン金利が低い理由も、過剰に利益を追求することなく運営しているからできることでしょう。なので、その分審査も厳しくなっているよう。詳細を調べていきたいと思います。

審査に時間がかかる

銀行などと比べ、融資までに時間がかかることがデメリットとしてあげられています。

仮審査を経て本審査がはじまるため、審査だけで1週間以上を要し、融資までは1か月ほどかかる場合もあるようです。急いでいる人には向いていませんね。

借りるには組合員になる必要がある?組合員て怪しい?

ネットの質問サイトで「ろうきんは共産党と関係があるのか?」という質問をしている人を見かけましたが、答えはNOです。なぜそんな質問が出てくるのでしょうか。

それは、ろうきんのローンを利用する際【ろうきんに出資・加入をしている労働組合に所属していない場合は、出資金(1,000円以上)個人で組合員になる必要がある】という条件があるためかと思われます。組合員てなんだろう…?と思ってしまいます。この仕組みがよくわからないですよね。

一言でいうと、【勤め先の労働組合がろうきんに出資していれば、そこで働く人は組合員の資格がある】ということになります。

でも、勤め先がない人でも個人会員になればOK。ただし、金利面では優遇される率が下がってしまいます。

条件は厳しい?

個々の条件だけをみると、そこまで厳しくないようです。

以下が、中央労働金庫の住宅ローンに申し込みが可能な方の条件です。ですが、年収の指定がはっきりとあるのは珍しいかもしれません。逆に、申し込みやすいという意見もあります。

〇お申込み時の年齢が満18歳以上かつご融資時の年齢が満66歳未満で、最終ご返済時の年齢が満76歳未満の方
〇安定継続した年収(前年税込み年収)が150万円以上ある方
〇同一勤務先に1年以上勤務されている方(自営業者等の給与所得者以外の方は3年以上)
〇団体信用生命保険にご加入できる方
〇その他、当金庫の取扱基準ならびに当金庫の指定する保証機関の保証基準を満たす方

引用元:住宅ローンWeb仮審査申込「お申込みいただける方」|中央ろうきん(中央労働金庫)

金利などが全国一律でなく、わかりづらい?

ろうきんのローン金利は全国一律ではなく、それぞれのろうきんで異なります。

WEBでもある程度は調べられますが、細かいことになると直接相談しないとわかりづらいため、店舗に出向く必要があります。店舗が近くにないとハードルが上がってしまうかもしれません。

ちなみに都内在住の筆者の最寄り駅には店舗はありませんでした。大手の銀行は一通り駅前にあるので、ろうきんの店舗自体は少ないといえるでしょう。

退職したらローンの一括返済を求められることも?

所属する労働組合の信用を担保として借りている場合、退職したらローンの一括返済を求められることもあるようです。

個人的にはこれがいちばん気になりました。【別に保証人を立てる】ということで一括返済をまぬがれた方もいるそう。急に一括返済は、ちょっと無理ですよね。

会社経由でろうきんにローンを申し込んでいる方は、契約の際そのあたりにも踏み込んで、はっきりさせておいた方がいいでしょう。

ちなみに、会社の労働組合を通じて申し込みをすると在籍確認の電話が自分の部署ではなく労働組合宛にくるようです。それも少し変わっていますね。

ろうきんが潰れる可能性について

非営利の組織なので潰れないと思っている方もいるようですが、赤字が続けばもちろん潰れる可能性はあります。

経営状況はというと、預金や融資量は右肩上がりで増えているものの、経常利益や純利益は年々下がっているようです。少し心配ですね。

そもそもろうきんは、企業による労働組合に加入している人への取引を中心にしています。

労働組合自体が減少しているので、グラフの推移がそれと同様になるのもうなずけます。

厚労省「労働組合基礎調査」によると、2023年の労働者に対して組合に加入している人の割合は16.3%で過去最低の数字となってしまったとのこと。

こうなると今まで通りの営業が苦しくなる日もくるかもしれません。

ろうきんの将来性は?

今のままの営業形態では将来が明るくはないかもしれない、と筆者は感じます。

労働組合の減少には歯止めがかからないと思うので、もっとわかりやすい強みを打ち出していかないと厳しいのではないでしょうか。

たとえばゆうちょ銀行。ろうきんと同じように、地域に根付いているイメージがありますよね。ですがこちらは2023年3月末時点での店舗数は23,600店。ろうきん600店舗の約4倍の数です。店舗数、規模、使いやすさ、わかりやすさ、どこかを伸ばしていく必要性を感じます。

『恵まれた層を相手に仕事ができた時代でなくなりつつある』
『フリーランスやベンチャー企業の台頭を踏まえ、労働組合に頼らない顧客創出が必要』
『変わっていく金融業界の中で、今後の収益を担うサービスや仕組みが必要』

このように、社員の口コミを掲載しているサイトでもろうきんの将来性について意見をしている方が多くみられました。このままではやばいということでしょう。

ろうきんの働きやすさについて

金融機関といえばやはり働く人。ろうきんの働きやすさや体質はどうなのか、社員の口コミサイトを調べてみました。

ろうきんのライフ・ワーク・バランスについて

有給消化状況の良さや残業の少なさなどを理由に『プライベートの時間が大切にできる』という意見と、『休日でもイベントに参加しなければならない』などの意見が半々くらいの印象でした。配属ガチャの要素が大きいと感じました。

一方、女性の働きやすさについては評価が高いようです。産休や育休、時短制度などをきっちり利用することができるようです。制度はあっても形だけという事例もよくあるので、きっと女性が長く働ける環境づくりに重点をおいているのでしょう。

ろうきんの体質について

年功序列で古い体質』そんな意見が多いです。

ほか、『上昇志向が低い人が集まっているような気がする』『ITに乗り遅れているのを感じる』などなど。昔ながらの雰囲気をそのまま良しとしている人が多いのかもしれません。

金融商品のノルマについて

非営利なので銀行でよく聞くノルマは無いと思いきや、しっかりあるようです。支店によってはかなりきついところもあるそう。

結局、他の銀行と一緒だ』ということを入社後のギャップとしてあげている方もいました。

非営利という根幹を持ちつつ、もちろん経営はしっかりやっていかなければいけないという部分で、社員の方が板挟みになっている印象を受けました。

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ろうきんはやばい?まとめ

ろうきんは、やばいということはありません。むしろ、信念を持った金融機関といえると思います。

ただ、このままの状態だと10年後、その先の経営は目に見えて悪化してしまう恐れがあります。そろそろ労働組合に加入していない人を取り込んだ、わかりやすいアピールが必要だと感じました。

最後になりますが、ろうきんのすごいと感じたところをひとつ。例えば中央ろうきんですが、ろうきんのキャッシュカードでは一部ATMの引き出し手数料が無料なんです! イーネットやローソン銀行なら全時間帯で引出手数料が無料。すごい。

これは、支店が少ないからという配慮のようです。サービスという形で、利用者にこんなに還元してくれる金融機関はほかにないですよね。若い人になんとかアピールして、これからもがんばって生き残ってほしいです。