出典:バイエル薬品
バイエル薬品ってやばくないですか。
バイエル薬品は、ドイツを拠点とする製薬会社の日本会社として設立された外資製薬会社です。グローバル規模で革新的な研究開発をおこない、様々な新薬を提供しています。
そんな素晴らしい会社ですが、検索履歴には「やばい」の文字が。
何がどのようにやばいのか、検証してみましょう。直ぐ読み終わるので、是非最後までお付き合い下さい。
バイエル薬品がやばいと言われる理由
患者の個人情報無断使用
2017年4月に発覚したのは、バイエル薬品の複数の社員が患者のカルテを本人に無断で閲覧していたという驚愕の事実です。2012年2度に渡り、宮崎県のとある診療所にて百名近くの患者に対して、抗凝固薬(血を固まりにくくする薬)の使用状況に関する聞き取り調査が行われました。
そのときに、調査内容に加え患者の検査データや薬の使用状況、健康保険の負担割合など個人情報として守られるべき内容も一緒に取りまとめられていたのです。さらには、その情報を組織ぐるみで入手し使用したとのこと。
患者のカルテは、患者自身知られたくない病気の進行状況や薬の飲み方などたくさんのことが記載されています。担当医師以外の第三者が無断で閲覧し、しかも勝手にその情報を利用するなんてありえませんよね。それが組織ぐるみだなんて、バイエル薬品そのものがやばすぎます。
医学誌掲載された論文の代筆
先ほどお話しした患者のカルテ無断閲覧の結果なにをしたかというと、その調査結果をもとに2本の論文を執筆。医学誌に投稿し掲載されたのです。しかも、執筆者の名前は聞き取り調査が行われた診療所の院長の名前になっていたとか。
もちろん、院長が実際に聞き取り調査の結果を取りまとめたならまだしも、院長は既に出来上がった原稿に目を通し、「てにおは」と「誤字脱字」を確認し修正したのみとのこと。にもかかわらず、新薬を発表しその説明のときに聞き取り調査の結果をもとに医師向け講演も開催しています。
そもそも、論文は自身の力で書くべきものであって代筆してもらうのはおかしな話ですよね。
しかも、その根拠が個人情報の無断使用となると、とても認められないです。なぜこのようなことをしたのかはわかりませんが、忙しい医師にとって代筆してもらえ、さらには自分自身の地位や名誉も上がるとなるとこれ以上嬉しいことはないでしょう。
バイエル薬品にとっても、ライバル会社に打ち勝ちたいがために、個人情報を無断で使用し代筆したのではないかと言われています。
しかし、世間一般的に代筆は良くないですし、個人情報無断使用となると、誰もが黙っていないでしょう。それを認めてきたバイエル薬品はやばすぎますよね。
コンプライアンス大丈夫??
先ほどのカルテ閲覧時件で、事件発覚当初バイエル薬品は社員が勝手にやったことで指示を出していないと回答していました。
しかし、内部告発した社員はカルテ閲覧することはおかしいのではと会社側に掛け合ったにもかかわらず、会社の指示命令に問題は無いと言われ業務を行ったとのこと。それでも納得いかなかった社員が会社のコンプライアンス室の相談にいくと、退職へと促されたようです。
バイエル薬品側と内部告発した社員側の意見が真っ向から食い違っている上、どちらが正しいのかわかりませんよね。
しかし、会社のコンプライアンス室の対応をみると、会社の指示が絶対で、それに反したら会社から省かれるという体勢がまかり通っているのでしょう。会社の利益が上がればどんなことをしてもいい、という姿勢はとても共感できるものではありませんよね。
もう少し、働いている人のこと、患者のことを考えてほしいものです。
パワハラによる訴訟
バイエル薬品で勤務する30代の女性から、上司からパワハラを受けたとして会社相手に訴訟を起こしました。その女性はドイツ勤務を経て東京本社へ戻ってきており、その頃に当時の上司から罵倒を浴びせられたり極度の無視、外国人の夫への差別的発言など数々の嫌がらせをされたとか。
最終的に、その女性は体調を崩し、休職を余儀なくされたのです。ここでまたあのコンプライアンス室が登場するんですが、女性がパワハラについて相談に行ったところ、解決する姿勢を全く見せなかったとのこと。コンプライアンス室として機能していないですよね。
そこで、女性は訴訟に踏み切ることにしたようです。企業内の法令遵守や倫理観などを守るために設置されているはずのコンプライアンス室がここまで機能しないとなると、バイエル薬品の組織全体がやばいですよね。
モンサント買収による大失敗
2016年、モンサントを買収したバイエル薬品。モンサントは薬などとは全く関係のない会社で、遺伝子組み換え作物や除草剤を販売している大手企業です。
何を思ってモンサントを買収したのかは定かではありませんが、買収直後にモンサントが取り扱っている除草剤に発がん性があるとして訴訟が発生。
その結果、バイエル薬品は訴訟を解決するために1兆円以上の費用を費やしています。そもそも、モンサントを買収しなければ買収費用も訴訟費用も必要なかったにもかかわらず、なぜ買収したのでしょう。
結果的に、バイエル薬品の業績は赤字に転落してしまいます。
トップ製品パテント切れによる早期退職者460名
2023年年明けに発表されたバイエル薬品の大規模リストラ。2019年にもリストラを実施しているバイエル薬品ですが、そのときの募集人数の約3倍近い480名の募集を募ったのとか。
なぜそのような早期退職者を促すかというと、実は2012年に815億をも売り上げた抗凝固薬「イグザレイト」の特許が2022年7月で切れており、後発医薬品(ジェネリック医薬品)が参入することで売上が大幅に減少することが懸念されたからです。
製薬会社にはこのようなトップ製品のパテント切れが起きると、大規模なリストラが実施されているようで、このようなリストラが何度もあるとバイエル薬品で働きたいと思う人がいなくなりますよね。
バイエル薬品の素晴らしい点
グローバル規模の研究開発
バイエル薬品は、ドイツを拠点とする製薬会社の日本会社として設立されました。そのため、世界中にパイプラインをもっており、グローバル規模での研究開発を行うことが出来るのです。
新しい薬品だけではなく、既存の薬品もより良い製品にするために薬剤の用法、用量、適応症の拡大、他にもまだ発見されていないあらゆる可能性を日々研究しているとか。これはすごいことですよね。
サプリメントへの注力
バイエル薬品には、医薬品以外にサプリメントを取り扱うコンシューマーヘルス部門が設置されています。この部門は、赤ちゃんの「人生最初の1,000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間をサポートするサプリメントを開発しています。
これは女性にとっても嬉しいことですよね。サプリメントは色んな会社が発売していますが、どれがいいのか正直わかりません。でも、製薬会社が携わったサプリメントなら効果がありそうじゃないですか。
オープンイノベーションを採用
通常、研究開発は自社単独でおこなわれるものですが、バイエル薬品は研究開発活動をオープンにしているんです。
自社だけではどうにもならない問題も、大学などの研究機関やベンチャー企業とのネットワークを強化し連携することで、今はまだ治療困難な病気に対しても、今後飛躍的な治療法を発見できるのではないかというイノベーションをもたらすことが目的とか。これは画期的なことですよね。
三人寄れば文殊の知恵ではないですが、多くの人や企業が集まって連携することで現在の医薬業界を確実にパワーアップさせることができます。
バイエル薬品はやばい?まとめ
いかがでしたでしょうか。
バイエル薬品のやばい点と素晴らしい点を説明しました。
バイエル薬品はグローバル規模であり、オープンイノベーションを採用するなど今までにない画期的な活動をしている会社です。
一方で、売上重視や研究成果を重要視するためか、患者の個人情報を無断で利用したり、医師に代わり論文を代筆するなど、明らかにしてはいけないことを組織ぐるみで行っています。問題は留まらず、社内の風通しも悪く社員の発言を握りつぶす傾向に。
せっかく素晴らしい医薬品を販売し開発しているのですから、組織風土を今一度見直し、大切な患者のために組織として何を一番に考えるべきかを考えてほしいものです。
これから、コンプライアンスも重視しながら、より革新的な商品作りに取り組み世界中の医療業界の発展に貢献して欲しいです。
バイエル薬品がやばいと名を広めたのは、やはりカルテの無断閲覧無断使用により、勝手に論文を代筆したことですよね。製薬会社といえど、仮にも相手は一般市民の患者です。患者の個人情報を無断で閲覧することもおかしいですし、それを無断で利用するなんてありえませんよね。