出典:【公式】岩井コスモ証券-投資の未来を切り拓く証券会社-
岩井コスモ証券とは、大阪府に本社を構える証券会社です。
大正6年に創業した岸和田市の岩井証券が経営不振のコスモ証券を吸収する形で2012年に合併し、岩井コスモ証券となりました。
その岩井コスモ証券について、行政処分を受けていることや勧誘のしつこさなどの点からやばいという噂が囁かれているようなのです。
初心者投資家の筆者が、岩井コスモ証券は本当にやばいのか、考察していきます。
岩井コスモ証券がやばいと言われる理由
①【不適切勧誘】で行政処分を受けている
岩井コスモ証券は、2017年に金融庁から行政処分を受けています。株式の個別銘柄レポートを特定の顧客のみに知らせ、買い付けの勧誘を行っていたのです。
株価が上がると予想される銘柄を一部の顧客に事前に教えるという行為を、証券取引等監視委員会が指摘。金融商品取引法第51条、【投資者の保護】のためとして同委員会が金融庁に勧告し処分となりました。
岩井コスモ証券は指摘されて初めてこの買い付けの勧誘が不適切だということに気づいたとのことで、なんと2006年から10年以上にわたり行っていたようです。証券取引等監視委員会は、その問題意識の薄さと内部管理体制のずさんなことを併せて指摘しています。
この、上りそうな銘柄を一部投資家に事前に教えるという行為は、合併前の旧コスモ証券が始めたものだったようです。そして、合併後もそれを続けられる環境だったのが疑問ですね。証券会社がみんなそんなことをしているような疑念がわいてきます。
ちなみに行政処分の内容は、業務改善命令として
などが課せられています。(近畿財務局 「岩井コスモ証券株式会社に対する行政処分」より一部要約)
レポートにはインサイダー情報は無かったとのことで、インサイダー取引には当たらなかったようですが、この行為が不適切だということに気づかないのはやばいです。気づいていても、今までも大丈夫だったから大丈夫だろう、という意識だったのかもしれません。
ちなみに2013年に岩井コスモ証券は、十分な説明のないままリスクの大きい投資信託を買わされ損失を被ったとして顧客から損害賠償を求められたという事件もありました。
さらに2010年、旧コスモ証券は、手数料目当てに商品を乗り換えさせる「回転売買」を行ったとして同じく訴訟を起こされています。
もしかして旧コスモ証券がやばかったのかな?と思ってしまいますね。
②岩井コスモ証券からの勧誘電話がしつこい?
岩井コスモ証券からの着信番号を調べている人が多いようです。知らない番号から着信があるととりあえずネットで調べますよね。
そして口コミにも『朝9時から電話がかかってきた』『毎日3回とかかけてきてやばい』などというクレームめいた言葉が。
昭和の時代は、電話で投資や買い付けの勧誘というイメージは確かにあります。ですが今でもそういう営業をしているのですね。
『かかってきたが身に覚えがない』という方もいたのですが、その場合名簿はどこから仕入れているのでしょう。
間違い電話の場合もあるとは思いますが、例えば投資信託商品を買っていたくらいで直接電話がきたら…著者だったら嫌になってしまいます。
③岩井コスモ証券を騙った詐欺電話が多発?
岩井コスモ証券公式サイトのお知らせで、詐欺に対する注意の呼びかけが発信されています。【岩井コスモグループを騙った不審な勧誘にご注意】として、岩井コスモ証券を装った不審なメールや電話での勧誘行為などがあるとしています。
具体的な内容は書かれていませんが、岩井コスモ証券からと名乗る電話で詐欺にあったという情報が寄せられているとのこと。
これは筆者の仮説に過ぎませんが、この詐欺電話が多発しているとしたら、実際の岩井コスモ証券による勧誘電話とも混ざってしまい、電話による悪いイメージがより大きくなっているかもしれないと考えました。
④社員からの口コミに不安を感じる?
『コンプライアンスに対する意識が低い』。岩井コスモ証券の社員・元社員の方の口コミには、そんな言葉が散見され不安になります。行政処分を受けてから後にもそんな意見があり、指導後も改善されていないのでは?と勘繰りたくなってしまいました。
ほか、
という口コミもありました。
ただしこれは証券会社全体に通じる問題のようで、手数料ありきの商品提案になってしまっているという現状をどこも抱えていそうでした。
さらに、
という声も。
この、【会社の将来性の無さ】を不安視して退職された方が多い印象です。
営業方法や組織の体質などを古いと指摘する意見も多数ありました。厳しい金融業界で生き残っていけるかどうかは、時代とともに変化できるかということが重要です。
ですが、『人が温かい』『大阪のノリで雰囲気は良い』という少しホッとする口コミも見られました。良くも悪くも人の力を大事にする昔ながらの風土があるのかもしれません。
⑤手数料が高い?売買に関してのデメリット
取引手数料が、他の証券会社と比較するとかなり高いようです。
特に大手ネット証券会社と比べると、約定代金により10倍くらいの手数料となってしまっていることも。もちろんコースによって違うので、この辺はしっかり調べて自分に合った証券会社を選びたいですね。
ほか、【クレジットカード積み立てができない】というデメリットも。クレジットカードでポイントが貯まればよりお得でいいですよね。長期投資の場合、お得度に大きな差が出るのでそのへんも見極めたいところです。
⑥ネット取引に消極的?
野村コスモ証券について、『電話連絡をしなければいけない回数が多い』『ネットでは扱っていない商品がある』という口コミがちらほらとみられました。ここでも、【昔ながら】というイメージが浮かび上がってきます。
社員の口コミでは、『新しいことに挑戦する雰囲気はない』『デジタルを提言しているが中身が伴わない』『もう少しITを活用した方がいい』という意見も。
デジタルに強い、ネットでの展開に優れているということがすべてではありません。得意・不得意もありますし、それぞれの業種によってもその関わり方が違うと思います。
余談ですが、筆者の祖母が昔、電話で株取引をよく行っていたという思い出があります。今のようにリアルタイムで株式の上がり下がりを見るすべは素人にはなく、ラジオ放送と証券会社の社員の意見がすべてでした。本当にしょっちゅう電話をしていて、子供心に「大変そうだな」とあまりいいイメージはありません。
ですが時代は変わりました。証券会社はネットでの取引が重要な時代に入っています。いまその顧客が一般にまで広がったのはネットで気軽に始められるからでしょう。
人の絆を重視しそこに特化するのもひとつの手でしょうが、これからも大きく発展するならデジタル化は欠かせないのかもしれません。
それを受けてか2024年はじめに、岩井コスモ証券には【デジタルトランスフォーメーション推進部】が新設されたとのこと。これは朗報ですね。中身も伴うものであれば期待できます!
岩井コスモ証券はやばい?まとめ
岩井コスモ証券のやばいと言われる噂を考察してきましたが、確かに行政処分を受けた経緯とその他の訴訟、コンプライアンスへの意識が薄いという口コミはやばいかなと感じました。
トップダウンの風潮が強いという口コミも目立ったので、そこも気になります。上が絶対となると、なかなか雰囲気は変わりづらいものだと思うので。なんとか若い人が、会社を変えていってくれるといいなと願います。
良くない評判もある一方で、IPO(新規公開株)に強い、というメリットを推す方も多数。岩井コスモ証券は、IPO引き受け率が非常に高いようなのです。これも、歴史ある証券会社の強みなのかもしれません。
そして近年の、岩井コスモ証券を擁する岩井コスモホールディングスの業績はというと、増加しています。2024年3月期第3四半期の営業収益は前年同期比で 18.1%増加。なかなか調子がいいようです!
総じて、証券会社とのつながりを大切にしていきたい、という投資家の方にはとても良い会社といえるでしょう。相談窓口も豊富でいい、フリーダイヤルもつながりやすい、といういい評判もありました。
そして初心者には心強い対面取引コースもあります。この強みにデジタル化がうまくプラスされれば、今後も存続・発展が見込まれるのではないでしょうか。